平成「方丈記」 *自由訳プラス
トピックス, 近過去12年2月下旬 刊行
仙台在住の作家が体験した大地震・大津波の恐怖と「その後」。
800年前に成立した震災文学としての『方丈記』が生きるための道しるべとなる!
独自に仏典研究を続けてきた作家が渾身の力を込めて記す、生きるための思想書。
タイトル | 平成「方丈記」[自由訳]プラス |
---|---|
タイトル読み | ヘイセイホウジョウキジユウヤクプラス |
サブタイトル | 3.11後を生きる仏教思想 |
著者 | 松島 令 |
著者読み | マツシマ リョウ |
出版社 | 言視舎 |
発売日 | 2012年 2月 28日 |
本体価格 | 1500円 |
ISBN | 978-4-905369-24-0 |
判型 | 四六判並製 |
リード文 | 仙台在住の作家が体験した大地震・大津波の恐怖と「その後」。800年前に成立した震災文学『方丈記』と共鳴。生きるための思想書。 |
解説・目次 | 仙台在住の作家が体験した大地震・大津波の恐怖と「その後」。大地震・大津波・大火災…何度も死を覚悟し、生き延びて「絶望」を見た。そして、「その後」の長い長い苦悩の日々。800年前に成立した震災文学としての「方丈記」の世界が、まさに甦ってきた。自由訳された「方丈記」と現実が共鳴する。そのとき、仏教思想としての『方丈記』が、生きるための道しるべとなる!「生も死も等しくある世界」とは?「無常の世」とは?どうしたら「平穏な心の世界」は可狽ネのか?僧侶ではなく、青年期から独自に仏典研究を続けてきた作家が渾身の力を込めて記す、生きるための思想書。 |
著者プロフィール | 作家、金融・経済評論家。元大蔵省官僚。旧大蔵省・国際金融局と財務局にて「プラザ合意」の外為強調介入担当官、証券検査官、経済調査官などを歴任。退官後、2000年12月、金融犯罪小説『証券調査官』で作家デビュー。著書はほかに国際経済謀略小説『天空の牙=ドル失墜の日』(いずれも宝島社)『実録・日米金融交渉』(アスキー新書)など。 |
担当編集部より
弊社ではこのたび、松島 令著『平成「方丈記」自由訳プラス 3・11後を生きる仏教思想』という本を刊行することになりました。その内容等につき、ご案内させていただきます。
日本の文学史に名高い鴨長明『方丈記』は、ちょうど八〇〇年前に書かれた古典の名文ですが、その内容は、ドナルド・キーン氏が、日本文学の「長い歴史の中で、『方丈記』しかないと思える」という、当時の都を襲った大火・竜巻・大地震という災害を記録し、かつ世の無常を教え、仏の道への導きを綴った、文学史上稀有な作品です。
この本は、その『方丈記』を下敷きに、東日本大震災で被災した仙台在住の作家が、被災の「真実」を明らかにし、また生き残った者はどう生きるべきか、青年期より続けてきた仏典研究に依りながら思索を重ねて書き下ろしたものです。絶望的な非日常の中で『方丈記』を真に読み解いた書であるとも言えます。
まもなく、未曾有の悲劇をもたらした東日本大震災から一年を迎えます。多くの映像が流れ、日本中の人が息をのみ涙を流しました。けれど、実際に被災した人にとって、あの地震や津波とは一体なんであったのか、「この世の終わり」を見た人の言葉には、じつに重いものがあります。
僧籍にある物書きとは違い、自分なりの仏教理解を頼りに、この難局を乗り切りたいという市井の一作家の必死な生き方が、十分に書かれた本になったと思っております。