小説  啄木と牧水

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2024年3月刊行

初の啄木と牧水を主人公とした書き下ろし小説。

二人の友情と、漱石、鷗外、鉄幹、晶子、白秋らが交錯。

タイトル 小説・啄木と牧水
著者 富永 虔一郎
著者読み とみなが けんいちろう
発売日 2024年 3月
本体価格 2000円
ISBN 978-4-86565-270-3
判型 四六判・並製
リード文 啄木と牧水を主人公とした初の書き下ろし小説!勝手な行動で周囲を翻弄する天才・啄木。家族の軋轢、極限の貧困、不治の病。旅と酒を愛する歌人牧水は恋の行方に懊悩する。二人の友情、漱石、鷗外、鉄幹、晶子、白秋らが交錯。
解説・目次 初の啄木と牧水を主人公とした書き下ろし小説。
評伝小説の快作
詩人・歌人として天才の名をほしいままにするも、自由勝手な行動で周囲を翻弄する啄木。家族の軋轢、極限の貧困、そして不治の病により死が迫っている。いっぽう、旅と酒を愛し、時代を画する歌人となりながら、思いもかけぬ恋の行方に懊悩する牧水。「歌」に寄せて二人の間に生まれた深い友情も、まもなく消え去るのか…。明治末期、大逆事件など騒然とした社会状況の下、二人をめぐり、漱石、鷗外、鉄幹、晶子、白秋ら多くの文学者が交錯する。

★「若山君、僕はどうしても死にたくない。僕はまだ助かる命を金のないために自ら殺すのだ…。見たまえ、そこにある薬が二、三日来絶えているが、この薬を買う金さえあったら…、僕はすぐ元気を恢復する。だがうちにはもう二六銭しか金がないんだよ。しかも、もうどこからも金の入ってくる見込みはない…」「死ぬんだよ、いなくなるんだ。この石川啄木が。許せるかい、そんなことが…。まだ君と同じ二六なんだよ」死の五日前、混乱して必死に訴える啄木。だが、牧水にも金はない。(本文より) 

★目次
第一章 本郷弓町「喜之床」
第二章 牧水の恋
第三章 節子と喜志子
 
第四章 啄木の死
第五章 のちの想い
年譜

著者プロフィール 1945年熊本生まれ
半世紀以上にわたり編集者として多彩なジャンルの雑誌・書籍をつくる。2007年『もう一度読みたい宮沢賢治』(別冊宝島)で賢治ブームの先駆けとなり、23年、編者として『宮沢賢治 ほんとうは怖い傑作童話選』を刊行した。熟達の文章力と巧みな表現力には定評のある名編集者。
最近の編集担当本『いつも隣に山頭火』『シャーロックホームズが見た世界』他